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目線

目線 とある会社をレイオフされてから思うところがあり暫くはサラリーメンでは無くスナックのママに紹介された社長さんのところで配管工見習いをしていた。





始めての職場が歌舞伎街のソープランド。

判る方もいると思うが石では無い宝石屋である。


朝8時から夕方5時までステンレスの配管を切って繋いで包装するのだが多感な年頃でもあったし何せ素敵な宝物がたくさん居る訳である。

妖艶な姿のまま俯き加減で歩く姿は、エナジーを抑える事に集中する余り先輩に怒号を発せさせる回数を悪戯に増やすに十分貢献してくれた。

しかし暫くして気付いたのだが皆一様に目を合わせる事が無い。

他の職人さんとは

「おーよ!昨日はばっちりヤッタカ?」

と場所に拠っては家裁決定コースの発言を頂戴しあまつさえニッカポッカ姿で軽快にハードゲイのリズムを刻んだギグを頂く関係になっている頃、嬢は目を合わせようとしない。

嫌われていたのかそれとも何かあるのか今持ってしてもわからんが、微かに聞こえてくる仕事での喘ぎ声が嬢が一流である事を物語っていた。

酒の席で先輩にそれとなく聞いてみたが

風場

で知りたがりはマナー違反とだけ言われたのでそれ以降は気になっても気にしないようにしていた。

仕事の最終日にある嬢から

「お疲れ様でした」

といわれたのが印象的だった。やはりお互いの目は合わなかったが存在自体は認めてくれていたのかなぁと妙に嬉しかった。

今にして思えば店員さんの挨拶もその辺の深夜ビデオの店員に勉強させたい位素晴らしかった。

社会認知が厳しい業界程業界の立ち振る舞いが立派であるというのが愚僧の自論だが時節柄、企業のサービス体質が問われる中、剣呑とする人間、せせら笑う人間、いずれにせよ旧体質のムラ社会体質は消滅し本人の意識なんだなと感じた